前回の記事 少しでも快適に過ごしてほしい 寝たきり、車椅子 高齢者の足の冷え

私は、
「寝たきりや車椅子のご高齢者の足の冷え対策であれば、私は断然 ウールなどの獣毛の靴下を履く ことをお勧めします。」
と申し上げたのですが、、、

実際あのお電話をくださったお客様から、一つ厳しいご指摘が寄せられました。。。。

それは・・・

ウールじゃダメなんですっ!!!」って。(>_<)

 

以下当該お客様からのご意見(許可を得て記載しております。)
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実は、母のような寝たきり系の高齢者って乾燥がすごいのです。。。

あまり食べられない ⇒ 栄養・油分・水分の不足

デイサービスで入れていただけるお風呂の回数も少ないし、肌の保水力がありません。
汗はかいても、お肌パリパリ、〇ーネとかの保湿クリーム欠かせないのです。。。

保湿クリームを塗っていたとしても、お肌はガサガサ。。。そんなお肌にはウールの靴下は引っかかってダメなのです><

サーモヘアソックスは、モヘヤのスベスベ感がいいのです。

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実際介護にかかわっていた方ですから、細かいです。介護されている方に少しでも快適に過ごしてほしいですものね。

寝たきり高齢者の肌の乾燥が、ここまでひどいとは分かっておりませんでした。
たしかに、毎日お元気に活動されているご高齢者さんでも、極度の乾燥肌とか老人性掻痒症(肌が乾燥してかゆくてたまらない症状)に悩まれている方は多いですものね。

私の、亡くなったおばあちゃんも老人性掻痒症でした。また、現在元気にしている後期高齢者の母も、老人性掻痒症で、「かゆい、かゆい!!!」とときどき我慢できなくなって、掻きむしっています。(ちゃんと皮膚科で処方されたお薬も塗っていますが)

ウールの靴下って乾燥したお肌、カサカサになってしまったお肌には、そんなにひっかかるんですね。。。知りませんでした。

ウールとモヘヤ

羊の毛ウールと、アンゴラヤギの毛モヘヤ。繊維として、異なる特徴を持っているんです。

繊維の形状:(繊維顕微鏡写真)

ウール繊維のキューティクルのうろこは先端が外側に反り返っているのですが、モヘヤ繊維のキューティクルは限りなく平らで、滑らか。

画像提供:Mohair South Africa

よく「ウールのチクチク感が苦手」という方は、このキューティクルのうろこが分厚く、この先端の反り返った部分に反応しています(↑右下画像:ウール繊維断面)。

モヘヤのキューティクルのうろこは薄く平らで先端も滑らか。これが肌触りに違いをもたらします。(↑左下画像:モヘヤ繊維断面)

もっと詳しくは、モヘアとウールの違い 

っと、ウール(羊毛)が悪者みたいになってしまっていますが、ウールはウールのこのキューティクルの特長を生かして、私たちの生活を豊かにしてくれているんですよ。

例えば、ウールのコート!

皆さんも一着はウールのコートお持ちですよね?ウールのコート用の生地は、このキューティクルのうろこの引っ掛かりを利用して作られています。

ウール毛糸で織ったり、編んだりした生地を石鹸、お湯で押し洗いすることにより、摩擦で繊維同士が絡み合って、生地は縮み、フェルト化されます。表面の毛羽立ちを短く刈り取って整えることによって、滑らかなコート生地に仕上がります。

価格も高価すぎず、丈夫で軽くて暖かいですよね!

さて、モヘアに戻りますが、、、

モヘア繊維は、ウール繊維の反対で、キューティクルのうろこに引っ掛かりがないために、お洗濯してもなかなかフェルト化しにくいです。
サーモヘアソックスの外側表面は、靴や床との摩擦で徐々に毛羽だって来ますが、靴下内側のパイルは繊維同士がなかなか絡み合うことはなく、新品同様の状態がしばらく続きます。

実は、このパイル、ご使用 → お洗濯 を繰り返して、しばらくたった方が、少しこなれて足なじみがよく、汗をよく吸い、心地よい履き心地になってきます。

これは次回、新品と一年使用後の画像でご説明しますね。