ウールは羊の毛、モヘヤはアンゴラヤギの毛。
同じ獣毛ですが、その特性にはかなり違いがあります。
モヘヤは、
「ウールのようなチクチク感」
「素材の劣化や縮み」
がとても起きにくい繊維です。
繊維の違いとは?
毛(繊維)はキューティクルで覆われています。
このキューティクルの構造の違いが、繊維ごとの特性の差になります。
[繊維とキューティクル]顕微鏡画像
- モヘヤのキューティクル
繊維に平らに密着し隙間はない、端は丸く滑らか - ウールのキューティクル
繊維から高く浮き上がり隙間がある、端は鋭角
この構造からどのような違いが生まれるのでしょう?
- チクチクする vs しない
- 「獣毛はチクチクするからイヤ」「チクチクで痒くなる」こう言う方も多いもの。
でも、モヘアなら大丈夫。 - ウール ⇒ 高く鋭角なキューティクルの角が、皮膚に当たるのがチクチクの原因 。
- モヘア ⇒ 平らで滑らかなキューティクルは、皮膚への刺激がとても少なくチクチクしません。
- 縮みやすい vs 縮まない
- 「ウールを家庭で洗濯して縮んでしまった」「獣毛は優しく手洗い」よく聞きますよね。
でも、モヘアは違います。 - ウール ⇒ 濡れたり擦れる事で浮き上がったキューティクルが、近くの繊維(キューティクル)と引っ掛かり結合してまう。。
これが、縮んだりペタンコになってしまう原因。一度結合してしまうと元に戻すことはできません。 - モヘア ⇒ 元々浮き上がりがない為、濡れてもキューティクル同士が絡むことはなく、縮んだりペタンコになる事がありません。
- 取れない毛玉 vs 取れる毛玉
- 「毛玉は引っ張って取っちゃダメ」「取ったら穴が開いた」これもあるある。
でも、モヘアは違います。 - ウール ⇒ ウールなどの一般的な獣毛の毛玉は、繊維のキューティクルが絡み合ってできるもの。
繊維自体が絡むために引っ張ってもとれませんし、無理に取ると穴が空いたり生地自体が傷んでしまいます。 - モヘア ⇒ 繊維同士が絡まないので一般的な毛玉は殆どできません。が、遊び毛がまとまって毛玉になる事があります。
これは繊維に繋がっていないので、引っ張れば取れますし、取っても生地を傷める事はありません。
遊び毛とは
製造工程で、繊維から切れて離れたケバの事。糸に絡んだまま製品になり、使用時の摩擦で抜けてきます。
ウールなど一般的な獣毛の場合は、キューティクルが引っかかり繊維に絡んだままになる事が多いので、ケバによる毛玉は少ないのですが、、、
モヘヤはその滑らかさゆえ擦れたり使用しているうちに、このケバが滑り落ちてきて毛玉になってしまうのです。
サーモヘアソックスの毛玉
歩いたり座ったり全体重がかかる足裏は、とても負荷が大きく摩擦が起きる場所。
サーモヘアソックスのパイル面は、タップリの繊維と高いクッション性の為に、使い始めてしばらくは大きな毛玉が出来ます。
すでに切れている遊び毛がまとまっているだけなので、取っても何の影響もありません。
また、モヘア繊維は永遠に抜けていくのではなく、数回の洗濯で遊び毛が落ち切ってしまえば、自然に落ち着いてきます。
するっと取れるモヘヤの毛玉、気にせず取って下さいね。